日付が「4月12日」に変わる深夜零時ちょい前、テレビのニュースにチャンネルを合わせた。都内某有名書店の店頭が映し出された。村上春樹センセイの新刊発売セレモニーにメディアが殺到していた。
カウントダウンが行われ、ゼロになった瞬間、女性店員の手で黒いベールが引っぺがされ、平積みになった新作小説『色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年』が姿を現した。
お祭り男の異名をとるオヤジではあるが、さすがにカウントダウンはやりすぎだろうと思った。
翌朝のラジオで「ボージョレ・ヌーボー解禁じゃあるまいし」というリスナーからのコメントを紹介していて、オヤジも座布団3枚あげたくなった。
発売前から今年最大のベストセラーになることがほぼ約束されているからといって、大騒ぎにもほどがある。とはいうものの、まずは深夜のニュース画面で新刊の表紙デザインをしっかり確認した。
そして翌日夜、閉店間際の最寄りの大型書店に駆け込み、早速、1冊ゲット。カウンターに横並びした客がほぼ全員、この同じ表紙の本を抱えていた恥ずかしさに、お祭り男はじっと耐えた。
そして週末、米倉涼子の新ドラマ「35歳の高校生」も、新垣結衣の新ドラマ「空飛ぶ広報室」も見たいのをじっと我慢し、『多崎つくる』369ページを完全読破。
さて感想は…ここではまだ書かない。だけど、一つだけ。春樹センセイの今回の小説にも「テレビ」は全然出てこなかった。少なくともオヤジがこれまで読んだ
彼の小説には、まったく(と言っていいほど)テレビに関する描写がない。春樹センセイがテレビを視ない人かどうかは知らない。 今回、自分の手塩にかけた
小説の発売がボージョレ・ヌーボーのように扱われていたニュース番組を視たら、センセイはどんな感想を持っただろう。
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